お祝いムードで、大体察しがついた。
あんなくだらない物に、無駄使いした人が沢山いるってことだ。
それにしても、偉そうにふんぞり返ってそうなアイツの姿がない。
盛り上がる社員たちを横目に、俺は所長室に直行した。
「おはようございます」
今日の所長室は、暗雲がモクモクと立ちこんでいる。
「ユカリさん、なんかあったんすか?」
所長は、机にグテッと伏せていた。
「淳一くん、おはよう。
今日は外に営業に行ってもらうわ。よろしくね」
「えっ……はい。
でも、所長は?
何かあったんすか?」
「知らなーい」
知らなーいって、俺の部屋出た時はラブラブだったじゃねーのか?
「ラブホ街で女に追いかけ回されて、体力使い果たして仕事に支障が出てる男なんて無視していいわよ。
淳一くんねスーツを用意したから着替えてきてくれるかしら?」
すげぇ生々しい説明だな……
羨ましいんだか、情けないんだか
よくわかんねーよ。