──ピンポーン
酒臭い俺の部屋のチャイムがなった。
俺は頭を掻きむしりながら
渋々立ちあがった。
ひょっとしたら李花かもしれない。
もしくは、トリックスターズ一味が戻ってきたのかもしれない。
それか、お隣さんからの苦情か?
「はい……」
重みのある分厚い扉を開くと、そこにいたのは予想外の人物だ。
「よう、淳一。
元気ないな? 大丈夫か?」
「社長っ!?」
そこにいたのは
俺が、数日前まで働いていた建設現場の社長だ。
心配そうな顔で、俺を見ている。
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