口元に人差し指を置く先生はさっきの優しい笑顔とはまた違う少し意地悪な笑顔でそう言った。 「…ありがとうございます」 自分でも分かるくらい顔が赤くなったあたしはパッと先生から目線をそらした。 そんなあたしに気づかない先生は 「おまえはもう早退した方がいいよな。家の人とかはこれそうか?」 「……えっと」 あたしはあまり触れられたくない話題にビクッと肩を揺らし口ごもった。