次の日学校に行くと、彼女はやっぱり席に座っていた。 窓から入ってくる五月の爽やかな風が彼女の髪の毛を優しく撫でた。 あの日からもずっと、 何年前からずっと変わらない彼女の姿を 僕はどうして忘れていたんだろう……。 「龍ちゃんってさ、お化け信じる?」 一人の男子生徒の発言にクラスがざわめいた。 彼女は窓の外を見ていた。 僕は何にも動じずに 「信じるよ」 とだけ言った。