目の前には満面の笑みの校長先生
あたしより一回り大きいため肩に回った腕。
なるほどなるほど。
すごい勢いでだきしめられたんだね。
そりゃすぐに反応できないわけだ!
「あ、ごめんね~!美姫ちゃんがあたしの事美人だなんて言うから嬉しくてつい!!ここのモンスターどもは、そんな事言ってくれないからさ!」
「そう、ですか…」
「あ!あたし。一応ここの校長ね!」
「あ、はい。よろしくお願いします!」
「まぁまぁ、そんなに固くならないで!」
校長があたしの背中をバシバシと叩いてくる。
い……痛い…。
腕力ヤバいでしょ、校長。
「あ、そうそう。美姫ちゃんはこの学校に入れられた訳は聞いてる?」
「…いいえ」
あたしがそう言うと校長は一瞬驚いた顔をしたけどすぐに優しそうに微笑んだ。
正直、まったく分かんない。
急に行けって言われたし。
しかも全寮制の高校がイイならほかにもたくさんあるし
わざわざここに入学する意味なんか…


