安心しろなんて言われても


安心なんてできるはずがない。




「まぁ、そんなこと言わずにさ、そこを何とか!!」



そんなあたしの気も知らず、ばか親父はあたしに頭を下げてくる。



「…そんなにあたしをあの学校に放り込みたいの!?」



「い、いや。そう言うわけじゃないんだけど…。あ、でもまぁ間違ってはいないかな…」



意味がわからん!


訳が分からん!!


つまりは、放り込みたいってことだよね!?




「だいたい、そんな危険な高校に入れなんて普通親ならいわないでしょ!」





モンスターって言われてもピンと来ないかもしれないけど







あたしが中学の時もすごい噂になってた。




あそこはすっごく危険だって…





だからたった一人の娘にそこに行けと言っているあの人の神経がまったく理解できない!!





「それなら、大丈夫だ!!黒薔薇高校の理事長は俺の知り合いだから、美姫には危険が及ばないようにと言ってある!!」




「で、でも…」





「ホントにお願いだ!俺の一生がかかっている!」


父親はテーブルに頭をぶつけるんじゃないかと思うくらいにペコペコ頭を下げてきた。


一生がかかってるって…。


大げさなのか何なのか………。




「……はぁ…。」






どうしよ…あの親父があそこまでするんだし…。



いやいや、


でもあそこには行きたくないし…




どうするんだ美姫!!



考えた末結局……






「……わかった。行けばいいんでしょ、行けば。」




目の前の父親のまなざしに怯み


折れました。