深海に咲く花




何だよそれ。

チッ、舌打ちすると俺は持っていた
鉄パイプを持って走り出した。


別に苛ついて殴るわけじゃない。
ただ―純粋に翠愛の記憶に俺の存在を
刻みたい。それだけだった。


ガッ

降り下ろしたはずの鉄パイプは呆気なく
翠愛に止められた。

まさか、振り向かないで止められる
とは思わなかった。


暫く呆然としているとくるっと翠愛が
ふりむいた。