君だけは離さない





眠る美桜に愛を告げるのは悲しくて何故自分はこんな風にしか出来ないのか……




幼い頃にただ一度出会っただけの美桜に対してここまで執着するのはおかしいのかもしれない……そうだ。分かっている。だが再会して感じたんだ。






俺は美桜を愛してる事を………





ただの執着なんかとは違って心から君を愛しいと思う。




一方的に俺が想っているだけで美桜は俺と同じ気持ちではないが……いつか振り向いてくれればそれでいい。その日まで美桜には出来る限りの事をして優しくしてやる。



そして幼い頃の俺が惹かれたきっかけになった笑顔を見せてくれる日を待ってる。




「……ん……菊さん……?」

「起きたか?」

「……え」




目覚めた美桜は側に響がいると分かるとベッドから飛びのいた。




「一体いつからあそこにいた?」

「………………。」

「こんなに冷え切ってる。風邪を引いたらどうするんだ」




美桜との距離を詰め腕を掴む。






「いやっ!!離して下さい!」