な、な、なっ…!?
こっっ…紺野が叫んだ…!!!!
視線を勢い良く向けると、紺野は嬉しそうに口角を上げながらいまだ通話中。
「うん、…うんっ、まじで!うわー…ありがとう野口!」
「!!!!っっっわ…!」
笑ってる!!紺野が!!!
あんな嬉しそうに笑ってる!!!
私にもあんな風に笑わないのに!!!超レアじゃないか!!!!
ち、ちくしょう野口め…!紺野の笑顔をナニで釣ったんだコノヤロー!!!!
「うん、…っあ、行ける!じゃあ行くから!おうっ!」
ん?
行くから??
あれ?今何か…ヤな予感した。
何かすっごく、変な感じした。
「うん、うん、じゃ、あとで」
紺野は笑顔で電話を終えて、終えたあともいまだに笑顔を浮かべてる。
んん…?
「こ、紺野?」
「暁、暁」
「えっ?」
紺野はニコニコと楽しそうに笑いながらジャケットを着ている。
…。…え?ジャケット??
「俺出掛けてくる」
「……え゛っっ!?何故何処何しに!!?」
「友達の家。読みたかった本がそいつん家にあったらしくて。」
取りに行ってくる。
と続けて言う紺野の無邪気な笑顔にきゅんっとしてしまった。
紺野のレアな笑顔…!超可愛い笑顔……!
写真に残しときたい…!カメラカメラ…ってカメラ無いんだよもう私の馬鹿!!!
(――はっっ……!!!)
…と気付いたときには、もう遅し。
「…いっ…いねぇ……!!!」
部屋には、紺野くんの姿はありませんでした。
(…そりゃないよ紺野…!!!!)

