好き。 紺野が。 大好き。 「う゛ぁ〜〜…っごっ…んのぉぉ〜〜っ…」 ああ、私いま、絶対に不細工だ。 絶対…見せられない顔だ私。 でも、もうどうしようもない。 だって、止まらない、涙が。 気持ちが、止まらない。 本でも、あの女性でも、もう何でもいいよ。 最初っから私には、紺野が好きってだけしかないんだから。 「………はぁ…」 俯いた足元に見えたのは、彼の上履き。 上から聞こえたのは、呆れた溜息。 「…っ…こんのっ…」 「うん。」 窮屈になった理由は、紺野の腕のなかにいるから。