大きく響いた声。
それとともに振り返って、紺野の姿を視界に映す。
やっぱり格好いい立ち姿に、その左手には二冊の本。
紺野は、いつもよりも驚いたような顔をしていた。
「は…?何で俺が知ってんの?意味がわかんないんだけど。」
「っ…嘘っ!紺野は知ってる!」
「…はぁ。わけわかんねー。」
紺野は面倒そうに溜息を吐いて、ぶっきらぼうに言葉を発する。
それにカッとなってしまったのは……私。
「私だってわけわかんないよっ!!…っ紺野がわかんないっ…」
「…は?何それ。」
「紺野はいっつも…っ私なんてどうでもよくて!いっつもいっつも本ばっかりで!私のことわかってくれてないっ…!!」
「…、」
「もう……っやだよ…っ」
…はっ、とした。
思わず、口を押さえる。
私、何言って……。
「……じゃあ別れよ。」

