正直言うと、昨日はもしかしたら紺野から電話とかメールが来るかもしれないと思って、夜中までずっと待ってたんだけど。
……結局、というかやっぱりというか
連絡は全く無かった。
「…。」
やっぱりダメなのかもしれない。
紺野はあの女性のほうがきっと好きで
私なんて、ただのゴミみたいな。
なんてことのない存在だったのかも。
…や、ただでさえ私よりも本が好きだしね。
で、本よりもあの女性のが好きなだけ、だ。
パチパチと音を立てて焼却炉の中でものが燃える。
見上げれば一面にあるイチョウの木に、ひらひらと舞う黄色い葉。
一枚、舞って。
「…あ。」
焼却炉のなかに、自ら入り込んでいった。

