『今?……家、いるけど。』 パリン、と。 音がした。 今までのモノが割れて、あっけなく崩れ去る、そんな音が。 …うそ、だ。 うそ、うそ、…うそっっっ…!! 「っ嘘つき…!」 『は?』 「もうやだっ…!紺野のばかぁ!!」 『はぁ!?アキ…プツッ』 紺野の声を遮って切った携帯を、目元に当てる。 もういやだ。 紺野に振り回される私も 冷たい紺野も …もう、いやだよ。 「ばかぁ…っ…ぅーっ…」 ゆうちゃんのために買った本の表紙に、丸い染みができた。