自動で開くガラスドアを抜けて中に入ると、むわんとした空気が私の体を包み込む。
此処は毎年暖房がすごく利いてる。
寒がりな人が多いのかわからないけど、取り敢えず物凄い暑い。むしろ熱い。
早く終わらせて帰ろう…。
入り口近くにあるレジに直行して、店員に予約券を渡す。
店員は少々お待ちくださいと言ってから本を探しに行ったので、暇な私はその場であたりを見回す。
直ぐに目に入ったのは、堂々とカラフルなものが置かれている漫画コーナー。
遠目で新刊の辺りを見て、買いたいのは無いかと確認を済ませる。
小説は全く読まない私だけど、漫画は読む。
それを紺野に言ったら「馬鹿、それって読書って言わないからね。」と呆れ混じりに訂正されたっけ。
馬鹿に加えて阿呆とも言われたけど。
でも、「やっぱり馬鹿だなぁ暁は。」って言って、笑ってくれた。
呆れられたけど、困ったように笑ってくれた紺野に、私はまた惹かれたんだ。
紺野………
何してるのかな。

