………。
「……さびい…」
ぶるぶると震える腕を擦って、首に巻いているストールに顔の半分を隠す。
秋の終わりだからなのかな。
風がぴゅおーって言って寒いのが苦手な私を苦しめてるんですが。
小走りで道を歩く。
道路沿いに植えてあるイチョウの木からは黄色い葉っぱがぱらぱらとまばらに散っていて。
イチョウって、どこでもあるものなんだなぁ。
学校にも植えてあったし、確か中学と小学校にもあった気がする。
私の家のマンションの近くには余り見られないけど。
ロングカーディガンのポケットに手を入れて歩くこと、数分。
近所の書店に辿り着いた。

