でも、
…寂しいって
あんまり、言いたくないな。
「…言いにくいし。しかも…何か、紺野に甘えるみたいだもん…」
そういうと、エミは一瞬きょとんとすると呆れたように小さく溜息をもらした。
実に面白くなさそう。
ウジウジ虫めとか思ってそうだし。…確かにウジウジ虫だけどさ…。
「じゃあしょうがないね。でもエミは暁が一歩出ないと何にも始まらないと思うけど。」
「う、」
「エミお腹減ったぁー」
エミは誰かにお菓子もらってくるね!と意気込み、行ってきますと言いながら席を立って行ってしまった。
「……。」
寂しいか。
きっと
その言葉は…言えない。いや、言わない。
私は強くもないけど、弱くもないもの。
……とはいいつつも、寂しいのは本当なんだよなぁ。
「…複雑。」
ぽつりと呟き、最後に溜息。窓の外を見ると、校庭に植えられたイチョウの黄色い葉がゆさゆさと風に揺られていた。
今日は…風が強い。
嗚呼、秋も終わりが近いのだろうか。
散りゆくイチョウを見て、ふと、思った。

