「紺野くんだよねぇ。んー…がっつくタイプじゃないもんね」
「がっつくって…、紺野はそんなんじゃないよ!?」
「うんだからわかってるって。…あれっ?だから暁ちゃんは嫌なんじゃないの?」
「ちがっ…私はちょっと構ってほしいだけなの!」
「構ってほしいねぇ…。例えばどんな感じに?」
た、例えば…?
「例えば……す、少し、会話の時間を増やしてほしい…とか」
「うん。」
「本は忘れて、ほんのちょこっとだけ……話したいとか…」
「……うん?同じだよね?」
「…同じです。」
何とも言えない表情をして応えると、エミは呆れた顔でふっと笑った。
「なんだ。ただ話したいだけなんだね。エミ、もっと違うこと考えてた」
「違うことって何…」
「なら、平気だよ!」
え?平気?

