「うー…考えすぎて頭痛い……」
「大丈夫だよ、それ勘違いだから。」
「心配って気持ちはないの!?」
勢い良く顔を上げると、エミは携帯をいじりながら私のことなんて知らないように携帯に目を向けている。
そしてその表情は可愛らしい…う、うん、普段も超可愛いんだけど。
でも可愛らしいという言葉とは随分かけ離れた……け、険しい表情を………やっばい超恐い!!!
携帯を見ているエミの表情は、だんだんと険しいものに進化していく。私の心拍数もそれに比例して上昇中。
だってエミ恐いんだもん……!!!!
「…え、エミカちゃん?」
「……チッ。コイツ本当にめんどくさい…。」
「え!!?私!?ごめんなさい!!!」
思わず頭を思いっきり下げて謝ると、え!!?何謝ってるの!!?とエミに驚かれた。
「あ、ちがうのちがうの!ごめんね、暁じゃなくって、こっちの話。」
そう指で示すのは、携帯。
「こないだ街で声掛けられてね、ちょっと顔がよかったからアドレス交換したんだけど…ほんとしつこいの。やんなっちゃう。アドレス変更しようかなぁ」
「…。」
大人…!
何かエミとの距離を感じる。遠いよエミが…!
「あぁもうしつこいなぁ…もういいや無視しよっ。」
「…。」
心底めんどくさそうにパタンと携帯を閉じて、エミは私の方に視線を向ける。
その顔には、先程の険しさなんて全くなくて…うん、可愛い。そして切り替え早いな!

