私は、部屋に連れて行かれた。
部屋に連れて行かれたと言っても彼の一人暮らしの家にだ。
博士からマンションの一室を使わせてもらっているらしい。


「…広いですね」

「君が来てもいいように、広いところにしてるんだよ」

「……へ」

「こっち」


案内された部屋は一通り家具はそろっているが、なんというか、さみしい部屋。
未完成。


「荷物、おいとくといい…って言っても紙袋一つだったら大したもの入ってないか」

「……博士に渡された薬と…服が2着です」


そういうと、彼はそっか、と微笑み出ていく。
広いこの部屋を一人で使っていいと言われても。
とりあえず、紙袋に入っているたった2着の服を箪笥にしまう。
薬をドレッサーの中にしまう。
そして、博士の記憶の中にあった、やってみたいこと。



















私は、

















ベッドに身を投げ捨てた。