「なんで?どうして?」 「ん~ちょっとね」 よほど愛していないとリンの魔の手からは逃れられない。 類を狙っているんじゃないといいなぁ。 私は今日は一人でかえることにした。 リンの相談を邪魔するのはたとえ彼女であってもしてはいけないと思う。 「彼女さんまじめだよね」 「あぁいうところは、まぁまじめだね」 二人の会話が聞こえてくるたび、びくびくする。 リンと先輩がどうかくっつきませんよう、とお願いしながらやっぱり全速力で自転車を漕いだ。