「ごめん」
え?と聞き返す間もなく、先輩はごめん、と連呼した。
「なんで謝ってるんですか?」
「あとちょっとで理性飛ぶところだった。うん、っていうか目閉じてっていったの、キスしようとしたからなんだ。」
「えっ」
「でも考えてみたら、紅の年だとまだファーストキスでしょ?勝手に奪うわけにいかないし。紅の考え聞いてないし、紅はわかって目つぶったわけじゃなさそうだったし。暗黙の了解ってわけじゃないんだろうなって思って、ぎりぎりセーフだった。だから思いっきり抱きついた。そうじゃなかったら、やばかったね」
やばかった、といわれましても、という感じだった。
