一度もデートには出かけたことがない。
でも、類と呼ぶようにしていた。
です、ますもやめるようにしていた。
「どうしてここに?」
「一ヶ月記念だから。何もできなくてごめん」
「別にどーでもいいよ。一ヶ月記念なんて二ヶ月ちょいで終わっちゃう人のためにあると思ってるし」
30年記念からで充分、というと、先輩も一緒になって笑った。
「後ろ向いて?」
先輩が微笑を浮かべたから、なんかキュンとした。
ずっと見ていたかったけど、向いてといわれたからしかたない。
後ろを向いた。
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