「え~と。恭介……じゃなかった、恭介君はいますか?」


たぶん母親は、『西田翔』のことは知らないはずだ。


あまり、なれなれしく話すと不自然になると優人は思い、友人ではあるが恭介に“君”をつけた。

だが優人の質問はあまりにも過酷な答えに繋がった。



「恭介なんていません」


恭介の母親の言葉に優人は固まった。