ふぅ、と息をついた時だった。 「友達じゃねえか。水くさいぞ」 と聞き覚えのある声で優人の肩を叩いてきた。 「わ!」 優人は驚き、ハンデルの操作を誤り転倒しそうになる。 その時、福田は優人の体を持ち安定させる。 「お前、自転車ぐらいちゃんと運転しろよ」 「お前が急に出てきたからびっくりしたんだよ!」 「ははは。悪い、悪い」 優人が危険な目に遭ったと言うのに、福田は気分が良かった。