「私は…その様子を…テレビの前で…見て…いる…ことしか…できない…自分が悲しくて……」 憂美はこぼれ落ちた涙を拭き、優人の方を向いて言った。 「だから今度大きな災害が起きた時は、私がみんなを護れるように看護婦さんになるんだ」 それは憂美の一つの挑戦であり誓いだった。 ただ単に流れに任せて高校に行く自分とは違うと優人は思った。 自分の愚かさに気付き、言葉が出なかった。 いつの間にか憂美を抱きしめていた。