美香の手にひかれて憂美は自分の教室に入った。


周りを見回すと中学の友達がいた。


「あっ!愛華」

「えっ!?え~と、だ、誰ですか??」

「あ、え、え、あ、あの……」


ついつい名前を呼んでしまった。


今は憂美の顔でなければ、体でもない。


愛華にしてみれば初対面の相手に名前を呼ばれたのだから、驚いているのは当たり前である。


「え~と、もしかして一度会ったこと会ったかなぁ?」


「い、いえ、今日が初めてです。ご、ごめんなさい。あ、あの私、緒方陽香っていいます。よろしくお願いします」