「あっ……」 また言ってしまった。 呼んでも返事がない名前を。 ここで立ち止まっても仕方ない。 ただ進むしかないのだ。 奪ってしまったこの人の人生を無駄にしないためにも。 「待った!?」 「ううん。今来たとこ」 憂美が外に出ると電話をしてきた子がすでにいた。 彼女は自転車に乗っているめ背は分からないが、金色の髪の毛が派手で一瞬驚いてしまった。 どうやらこれから行く高校は、校風が悪そうだと判断した。