「わたし持ってるよ。貸してあげよっか?」


またもや混乱に動じて新しい人物が会話に割り込んできた。


「あの?どちらさま?」

「死ねええ!!」


優人の疑問に割り込み者は、遠慮もせず思いっきり殴った。


「痛ってえな。なにすんだよ」

「わたしの顔を忘れたの?この恩人のわたしを!」


言っていることは分からないが、どうやら「かける」はこの女に助けてもらったらしい。


「この子誰?」


そっと、横にいる訪問者に尋ねる。


「お、俺も知らねえな」

「え!お前も知らないのかよ」