車はそのまま壁に突っ込んでいた。


運転手は出てこない。


おそらく即死だろう。


「死んだのか?女の子も運転手も……お、俺はどうしたら良いんだ?」


自分に問う。


だが、答えは出ずただその場で見ているだけだった。


すると、前方からまた走ってくる足音がした。

今度は速かった。



「憂美、憂美しっかりしろ!死ぬなよ憂美!お前は何にも悪くなかったんだ。お前を信じれなかった、俺が悪いんだ!」


前方から来た男は倒れている女の子に話す。


叫んでいる男の声は聞いたことがある。


そして、女の子の名前も知っている。


ただ、女の子は男の声には反応を見せずぐったりとしたままだった。



「頼むから死なないでくれよ!!約束したじゃねえか……俺が護るって……」




男は泣き崩れた。