下に降りた憂美は傘をもち、ゆっくりドアを開け外に出た。 そしてゆっくりと目的の場所へと向かった。 雨の音が周りの音をかきけす。 憂美はあの日と同じ暗闇の中を一人で歩いた。 上を見上げると、優人が今いる部屋だけ明かりがついている。 その目線を逸らし前だけを見た。 憂美に迷いはもう無かった。 自分が死ねばあの三人は変わらないまま過ごせる。 そう自分に言い聞かせ踏みとどまった足をまた動かした。