恭介は学校の友達と語りあってたおかけで、ずいぶんと帰りが遅くなっていた。


天気が悪いせいか、午後5時なのに辺りは真っ暗だった。


「クソっ。今日の話と同じ風景じゃねえか。胸くそ悪い……」


朝、優人が恭介に話した風景と同じだった。


ただ違うのは、今日は雨が降っているから暗いだけであり、なにより横に憂美がいない。


「あぁ。優人はいいよなぁ。俺にも横に女がいたらなぁ……」


歩いていた足を止める。

「どこいっちまったんだ?死んだのは俺のはずなのに……なぁ咲(さき)」


名前を呼んでも返事が来ないのは分かっている。



でも、それを受け止めるのは恭介にはできなかった。