部屋には憂美一人となった。 憂美はすぐに部屋においていた時計に手をだす。 「ごめんねゆうちゃん。私、行かなきゃいけないところがあるんだ……あの人のところに」 憂美は一時間ほど時計の針を戻した。 憂美には分かっていた。 今日、輪廻が起こることも、その内容の全てを。 二回も経験した。 馬鹿でもだいだいの特徴は予想できる。 憂美が時計を置くのと、優人が戻ってくるのはほぼ同時だった。