「今、どの辺り?」 「今は曲がって丁字路に着くところ」 「え~と、そこを右に曲がって左端から七軒目が私の家だから」 「分かった。ありがとな」 優人は電話を切って携帯をポケットにしまった。 この辺りになってくるとどの家も豪華で、金持ちの人ばかり集まっているみたいだった。 憂美の言われた通り七軒目に“緒方”と刻まれた表札があった。