「やっぱ、俺にはお前が必要だな」 優人はそう言うと一度は帰ろうとした足取りを戻し、福田のところに駆け寄る。 「まだ助かるかも知れないだろ?みんな死んだ分けじゃないんだからな」 「どれだけ甘いんだよお前は……まぁ、そこがお前のいいところなんだろうけどな」 仰向けになった恭介は密かに笑った。 「立てるか?恭介」 優人は倒れている恭介に右手を差し伸べる。