憂美は今にも泣きそうだった。 「ずるいよねぇ。憂美は……」 「どうしたの急に?」 憂美の言葉を全く聞かず優奈は話を続ける。 「可愛いし、頭も良いし。私の出来ないこともやってのけちゃうし。……実は私も好きだったんだ。……佐原のことが」 「え!?」 「まだ憂美には言ってなかったけど、中学一年の頃に佐原を見つけて一目惚れしたの。あんなバカだけど、なんか頼もしくて優しくて……」 憂美が優奈を見ると優奈は泣いていた。