「す、杉原君とは……何もないよ?」


あの時二人で誓ったときに聞いた、涙声で憂美は話す。


「本当か?」


「本当だよ!信じてくれないの?」


「信じれるかよ、そんなこと。看護学校に行くのも俺から離れるためなんじゃねえのかよ」


憂美は首を横に振るのが精一杯だった。


優人がそんなことを言うとは思っていなかったからである。



しばらく沈黙が続いた。



部屋中には憂美の泣き声が響くだけだった。




「今日は気持ちの整理がつかねえ。もう帰れ」


沈黙を破ったのは優人だった。



憂美は涙を拭きながらゆっくりと立ち上がった。