福田が満面の笑みを浮かべてこちらに向かってくる。 「はぁ、はぁ、ま、待てって。それは後からだ」 優人は膝についていた手を片方だけ上げる。 「お、おぅわかった」 福田が自分の席に戻ろうとした時にチャイムが鳴った。 優人は自分の席に着く途中で廊下で離した憂美の行方をみる。 憂美はそこにはいない。 自分よりも先に席に着いていたのだ。