ただ、苛立ちと不安だけが心に残ったまま……
学校の帰りに憂美を自分の家に誘った。
部屋に入ると、憂美は優人の部屋のあたりを見回す。
「ゆうちゃんらしい部屋だね」
と感想を述べる。
しかし、優人はそんな憂美の言葉を無視するかのように単刀直入に聞く。
「朝の話はなんだったんだ?」
「な、なんのこと!?」
急に聞かれた憂美は戸惑いを見せる。
「とぼけるな。昔、恭介と何があったんだよ」
「急にどうしたの、ゆうちゃん」
優人は憂美に問い詰める。
優人がこんなにも怒り口調で話すのは、付き合って以来はじめてである。
憂美の肩は小刻みに震えていた。
