「ん、あぁごめん。ごめん」 憂美は出てきた涙を拭く。 「泣いてるってことは、それだけ嬉しいことなんだよね。私には分かんないけど」 「う、うん。嬉しいな」 優人と優奈が生きていると分かって嬉しかったが、それ以上にもしかしたらあの人も生きてるのかも、と思う気持ちの方が強かった。 だが、憂美はそんな願望を捨て優人を選んだ。 このような経緯があって今に至る。 本当に優奈は当たっていた。 翔を優人と見破ったのだ。