憂美のテンションは一気に下がった。 「じゃあ、早く言ってよ~。あんまり電車の中での時間は短いんだからさぁ」 「分かってるって。じゃあ、とっておきの話を」 「やった~」 「……っとその前に」 「え~」 また憂美が、がっかりする。 「一つだけ約束。『なんで分かったの?』とか質問は、なしだからね」 「うん、分かった」 憂美は早く聞きたい気持ちから簡単に承諾する。 「実は、『西田翔』は……」 「うんうん」