それでも、実の友達と喧嘩だけは嫌だった。 涙より笑顔。 そんなものだった。 「私の話の前に、そろそろ帰らない?もう真っ暗だし」 優奈に言われて辺りを見ると、どこの家にも明かりがついていた。 「そうだね。じゃあ電車に乗ってから話してよ」 「うん、分かった」 そう言うと、二人は寒い夜の中を駅まで歩いて帰った。