それから時間は過ぎ、卒業式が始まった。 外には満開に咲いた桜が散っている。 ただ、雨が降っているのが残念だと誰もが思っていた。 式中は泣いてる者。 思い出に浸っている者。 友達と話している者。 それぞれが、そんな行動をしているなか優人は式に集中できなかった。 理由は朝の会話にある。 あの憂美の慌てる様子が気になった。 過去に何があったのか。 知りたくて仕方なかった。 結局、優人の卒業式はあっという間に終わった。 中学校生活を振り返る間もなく終わった。