「私からでいい」 憂美はそう言うと真剣な表情になり、勇気を振り絞って話しだした。 「私は『小林憂美』じゃない。本当の名前は『野花咲(のばなさき)』って言うの」 「え!?」 「一年前からから『小林憂美』の体に私がいたの。……ずっと黙っててごめん」 「……な~んだそんなことだったの。良かったぁ」 「え!?」 「もっと深刻なことだと思ってた。絶交とか、自殺とか」