「陽香。こっちこっち」 ゆりが階段を上がったところで手を振っている。 憂美はそちらに向かって歩いた。 たぶん、ゆりに出会わなければ、時刻通りに行けたかも知れない。 だが、ゆりがいたおかげで安心できる。 憂美にしてみれば良い悪いは五分五分だった。 結局、3時25分の電車には乗れず次の50分に乗った。