「あぁあ。お前のせいで遅れたじゃねぇかよ」 「心配すんなって、あと1分ある」 「はぁ?お前、ほんと馬鹿だな。今からキップ買って走っても1分以上かかるんだよ!」 「まぁ、そうだけど……」 普通なら楽しく思う会話だったが、今の憂美には出来なかった。 自分もその時間に乗ろうとしたからである。 はぁ、と深いため息をつき目的地へのキップのボタンを押した。