あの時は、目的の場所に行くために一人で駅にいた。 目的地は駅を一つ行ったところにある。 自転車でも行ける距離だが、向こうに行く途中に緒方の知り合いに見られるのは良いことではない。 そのことを考えて憂美は電車を選んだ。 憂美は携帯を開き時計を見る。 ディスプレイには3時25分と表示されていた。 急いで電車の時刻表を見ると、3時30分と書かれていた。