「ま、待ったか?」
待ち合わせの時間は決めていないがマナーみたいなものを考えて優人は言った。
「う、ううん。今来たところだから」
遠い場所を見つめて緒方は言う。
優人が側に行き、座ろうとした時だった。
「おっと!」
優人は思わずしりもちをついてしまった。
「ど、どうしたんだよ気に?」
急に飛び込んできた緒方に優人は困惑している。
「逢えてよかった……」
最初は言葉の意味がわからなかった。
しかも、緒方が発した次の言葉で優人はさらに混乱することになる。
「ごめんね…………ゆうちゃん」
緒方はさらに強く優人を抱きしめた。
