「待て!」 二、三歩上がったところで優人は男声の人物に足取りを止められた。 優人は恐る恐る後ろを振り返ると、少し痩せ顔の短髪、いや頭の頂上だけ光が当たっている男性がいる。 翔の父親にあたる人物だ。 「よ、よぉ、親父」 優人は軽く手をあげる。 「親父だと!?このバカ息子はまた空想世界でも見てるのか……」 父親は少し怒り気味だった。