優人はインターホンを押すのをやめた。 「帰るか」 福田にそう言うと再び自転車に乗った。 「結局、お前の友達……見つからなかったな」 「まぁな。でもなぁ…いつか逢えるような気がするんだよな」 優人は空を見上げる。 いつの間にか辺りは暗くなっていて星空が広がっていた。 「急いで帰るぞ、福田!」 そう叫んで優人は自転車を走らせた。 福田はそれに続く。 優人が生きていた中で一番長い一日が終わろうしていた。