「もう、いいんじゃねえか?もう一人行かなくても」 福田は優人のことを気遣う。 だが優人は首を横に振った。 「俺は行く。もう一人大切な人がいるんだ……」 「でも、お前───」 「福田は帰ってくれ。今日はありがとな」 優人は涙声ながらも、ここまでついて来てくれた福田に感謝の気持ちを込める。 が、福田は帰らなかった。 「お前が行くなら、俺も行ってやるよ」